さて、季節の変わり目や天気の悪い日に歯の痛みが出たりしたことはありませんか?その痛み、天候と無関係ではないかもしれません。
今日は、天候と歯の痛みの関係についてお話します。
まず、ポイントになる気圧に関してお話します。
一般的に標高が高いところや、風が周りから吹き込み雲ができやすいような悪天候では、空気の層は薄くなり、気圧は下がります。
旅行中に車で山を通過する際や、飛行機に乗った際に耳がキーンとなる感じや痛みを感じた経験があるかと思います。これは急激な気圧の変化により中耳(鼓膜の内側の空洞)と外気の圧力に差が生じてしまうことが原因です。これと同じことが歯でも起きることがあります。
梅雨や台風などの悪天候では気圧が変動し下がります。
歯の神経と血管は歯の中の歯髄腔と呼ばれる空洞に入っており、気圧が下がると内圧が高まることによって神経を刺激し歯痛が起こることがあります。
また、気圧の変化は耳の内部にある内耳で感知され、脳に伝達されます。脳はストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になます。そうすると血流に問題を引き起こし痛みにかかわる神経伝達物質であるホルモンが放出されます。これが痛みの発生や増悪の原因となります。
この気圧変化による自律神経の乱れは、男性よりも女性に起こりやすいとされています。これは、内耳のセンサーの感度の問題や、女性ホルモンの関係でホルモンバランスの変動が大きいためとされています。
いずれにしても健康な歯の場合、気圧の変化により痛みを感じることはありませんが、虫歯があったり炎症があるような歯は、気圧の変化により普段痛まない異常を敏感に感じ取ってしまうわけです。根管治療が終わって被せものが入っている歯や、歯ぎしり食いしばりがある場合も痛みは出やすいです。
また、飛行機に乗った際も機内の気圧は地上よりも低めに調整されているため、このような歯の痛みは出やすいです。めずらしいものではなく「航空性歯痛」という言葉があるくらい一般的なものです。
もし、治療中の歯があったり治療前の虫歯がある場合は、飛行機の搭乗前に鎮痛剤の用意をしておく良いかもしれません。
もし、そういった心当たりがあるようでしたら、もしかしたらお口の中の隠れた異常のサインかもしれません。是非ご相談ください。