今回は義歯の清掃用品等のお話をしたいと思います。

 

義歯(入れ歯)もご自身の歯と同様に清掃が必要です。義歯に付着したプラーク・歯石様沈着物・着色(ステイン)・食べ物のカス(食物残渣)は、口臭や誤嚥性肺炎、義歯性口内炎、残った歯の虫歯・歯周病などの様々な感染症を引き起こす原因となります。

 

そのため義歯は、毎食後取り外して清掃する必要があります。

また義歯は就寝時の際には粘膜床(＝入れ歯の本体のことです。人工の歯を支えて口の粘膜と密着して総入れ歯を安定させる部分になります)の圧迫を取り除くとともに、誤飲防止のため義歯を取り外しましょう。

 

取り外した後は、清掃し水を入れた容器に保管してください。水中下で保管することによって義歯の変形を防ぎます。

 

さて本題に入りますが義歯の清掃方法には機械的清掃と義歯洗浄剤などによる化学的清掃があります。

 

《技師清掃用品》

 

●義歯用ブラシ：

義歯の形態に合わせたブラシの選択が必要。様々な角度からあてて、落としても破損しないように、水を張った容器の上などで清掃しましょう。

 

●歯ブラシ・タフトブラシ：

ヘッドの小さい歯ブラシやタフトブラシを用いると、入れ歯をかける金属の部分を清掃しやすいです。

 

●超音波洗浄機：

洗浄剤と超音波の振動により、タール性色素・バイオフィルム・食物残渣・微粒子など落ちにくい頑固な汚れを除去できます。定期検診時、義歯をお持ち頂いたければ当院で消毒洗浄を行います!!

 

●義歯洗浄剤：

ブラシだけでは落とすことの出来ない義歯に付着したプラークの除去やカンジダ菌などの除菌を目的としている。

過酸化物(汚れや着色に有効)、

酵素(細菌や微生物に有効)、

生薬(脱臭・除菌効果)、

など様々な薬効成分が含まれています。

 

 

《義歯洗浄剤の成分と効果》

 

●次亜塩素酸：

微生物に作用が強いです！洗浄効果も大きいですが義歯の樹脂や金属の部分の変色を起こすことがあります。

 

●中性過酸化物＋酵素：

過酸化水素の酸化力と成分の発泡剤によって義歯の汚れを落とします。カンジダ菌の除去作用は弱いとされています。入れ歯に対する為害性は少ないです。

 

●酵素系：

タンパク分解酵素により、細菌や微生物を除去します。入れ歯に対する為害性は少ないです。

 

●生薬系：

天然成分配合により、脱臭や除菌効果があります。

 

 

疑問点や分からないことがあればスタッフに聞いてください。